一度は登ってみたい階段
土合駅のみどころ
土合(どあい)駅は、JR東日本・上越線の駅。群馬県利根郡みなかみ町という、山間部にあります。ここは谷川岳ロープウェイの拠点で、春・夏・秋のロープウェイ頂上の景色は筆舌に尽くしがたいほど素晴らしく、日本に住んでいるなら一度は訪れたい場所です(鉄道でなくても行けますが)。冬季は天神平スキー場になるので、訪れた方も多いでしょう。
しかし、土合駅の下りホームは深いトンネル(新清水トンネル)の中にあります。エレベータもエスカレータもなく、462段の階段を上らないと地上に出られないという、日本一のモグラ駅です。上りホームは地上駅舎に近接していますので、帰りはとても楽なのです。賢い人は、次の土樽(つちたる)駅まで行って引き返せばと思うでしょうが、列車の本数があまりに少ない上、もし歩いたら距離も半端なく遠い…だから便宜を図って、トンネル内に駅ホームと階段ができたのですね。
さて、階段の一番下のスタート地点に立つと、地上の明かりが遥か先にポツンと見えます。この場所は映画「クライマーズ・ハイ」の冒頭に登場したので印象に残っている人も多いかもしれません。傾斜は極端にきつくはないですが、手摺りに頼らずガンガン登っていかないと息切れしてしまいそうです。途中でところどころ、「あと○○段です」という励ましのメッセージが書かれています。
上越線のみどころ
上越線は、上州(群馬県)と越後(新潟県)を結ぶ線として作られました。冬季は豪雪地帯です。岩原(いわっぱら)スキー場前駅、越後湯沢駅、上越国際スキー場駅など、沿線でも駅からすぐの所にたくさんのスキー場があります。しかし土合駅は、スキーを担いで来るようなところではなさそうですね…大抵はバスなどでしょう。土合駅前にも路線バスは通っています。谷川岳ロープウェイまで行くバスの時間に合わせて階段を上るのはきついかもしれませんが。
ところで、毎年10月28日は「群馬県民の日」です。お得な各種フリー切符が発売されます。土合駅は群馬県の北端で含まれているので、上手に使うと安く行けます。
土合駅の隣りにある湯檜曽(ゆびそ)駅の下り線は、珍しいループ線です。土合駅から東京方面に帰るとき、ループ上から湯檜曽駅ホームが見えるかもしれませんので、眼下を目を凝らして眺めていましょう。
行き方
土合駅のある上越線は、高崎駅が起点ですが、列車は水上駅で始発乗り換えになります。水上駅から先に行く列車の本数は、おそろしく少ないです(朝は1時間に1本、昼間は2~4時間に1本)。平日も土日も本数は変わりません。鉄道利用目的が、通勤・通学や登山・スキーなどに限られそうで、朝早く行き夕方帰るというスタイルのダイヤになっているのだと思います。水上駅から土合駅まではわずか2駅ですが、待合時間が長いので結構時間がかかります。朝早く出発し、余裕をもってお出かけください。