スーパーカートで、高さ日本一の鉄橋を渡る
高千穂駅のみどころ
旧・高千穂鉄道のみどころ
なお、運転までできなくても、高千穂駅構内に車両がそのまま保存されています。乗ることも、運転台にちょこんと乗ることもできます。駅舎には往年の鉄道写真が展示されており、記念グッズなどを売っています。
多良木(たらぎ)駅は、熊本県球磨(くま)郡多良木町にあります。くま川鉄道 湯前(ゆのまえ)線の途中にある駅です。
この駅前名所は、ブルートレイン「はやぶさ」を静態保存し、ホテルにした「ブルートレインたらぎ」です。列車の上にさらに屋根があり、夜間は、本当に走ってきた列車が留まっているような幻想的な空気に包まれます。売店と食堂に改造された列車は広々で、ゆったりくつろげます。客車のベッドは2階立てのB寝台ソロ。毛布もあり、なかなか快適です。素泊まりで大人3000円ちょっと、とリーズナブル。お風呂は、目の前に「多良木町えびす温泉センター」があり、広々とした温泉に300円で入れます。
このブルートレイン目当てで、わざわざ熊本の宿泊先からレンタカーで来て、朝まで泊ったことがありました。予約すれば朝食600円のお弁当も食べられたのですが、早朝、熊本に舞い戻りました。ついでに、JR肥薩線の大畑(おこば)駅にも立ち寄った次第。
多良木駅の先、終点の湯前駅より東へさらに国道で行くと、廃線になった高千穂(たかちほ)線があります。険しい山々を越えていかないと行けないため、現役時代にとうとう乗りそびれてしまった、興味深い路線です。車があるなら、観光地でもある高千穂を探索するために多良木を拠点にするのも便利そうです。高千穂線にも、日之影温泉駅の列車ホテル「TR列車の宿」があるので、泊り比べるのも面白いでしょう。
くま川鉄道への乗り換えで通る、JR人吉温泉駅には駅弁屋があります。肥薩線のホームではありますが、「いさぶろう・しんぺい号」が到着したときなどは、名産「栗めし」「鮎ずし」弁当を抱えて、今は珍しい立ち売りに出会えるかもしれません。
くま川鉄道には、縁起の良い「おかどめ幸福駅」があり、近くの売店で幸福グッズを売っています。併走する国道219号からもチラっと駅舎が見えます。
くま川鉄道は、JR肥薩(ひさつ)線の人吉(ひとよし)温泉が起点です。ここから多良木駅までは30分ちょっとです。
おおむね1時間に1本くらい列車があります。昼間は観光列車「田園シンフォニー」(全車指定席、要予約)が1往復走っています。これを目当てに来るのもいいですね。
門司港(もじこう)駅は、JR九州・鹿児島本線の起点駅。北九州の玄関口です。関門鉄道トンネルが開通し、大動脈は門司駅の方に移って久しいかのように思われがちですが、現在も1時間に3本程度、本州の下関(唐戸)と門司港を結ぶ汽船、関門連絡船が発着しています。
門司港駅の特長はなんといっても、駅舎では初めてとなる国の重要文化財、ネオ・ルネッサンスの木造駅舎。大正3年の完成で、まるで皇族のために建てられたような豪華な造りです。トイレや切符売り場などの施設も、歴史的価値のあるもの。ぜひ時間をとって探索してみてください。
写真で見たことがある方も多いと思いますが、夜の駅舎はライトアップされて特に美しいです。ただし現在は、保存のための長期改修工事に入っています。
駅前は大正時代を思わせる、レトロで奇麗な街なみ。駅から門司港はすぐ目の前ですが、ランドマークとなる門司港ホテルも情緒たっぷりの景観。部屋の造りもまたレトロです。
そして、門司港駅から歩いてすぐのところにある、九州鉄道記念館。ここから平成筑豊鉄道・門司港レトロ観光線に接続します。
平成筑豊鉄道・門司港レトロ観光線は、門司港駅からすぐの場所にある九州鉄道記念館から発着し、関門海峡めかり駅までを結ぶ観光トロッコ列車「潮風号」です。定期運行は春から秋までの土日祝ですが、行楽シーズン中は平日も運行します。屋根付きなので、雨でも大丈夫です。
路線としては比較的短いので、門司港駅周辺の施設でレンタサイクルを借りて、並走する道路から列車を眺めることもできます。そして、終点の関門海峡めかり駅は、関門海峡のすぐそば。関門橋(自動車専用道路)の眺望も見事ですが、徒歩と自転車用の関門海峡トンネル(関門トンネル人道)もあります。入口からエレベータで海底トンネルに入ることができます。徒歩は無料、自転車も通行料金20円とわずかですので、ぜひ海の県境を渡ってみてはいかがでしょうか?(トンネル内、自転車は押し歩きです)
門司港駅に鉄道で行くには、九州新幹線なら小倉駅で鹿児島本線に乗り換え、その後は門司港駅まで3駅、乗り換えなしで行けます。下関方面から汽船で行ったり、関門トンネル人道をくぐってところどころ歩いて、レトロ観光線で行くのも面白いかもしれません。ただし冬季は運休ですから、運転日には注意してください。
大畑(おこば)駅はJR九州・肥薩(ひさつ)線の駅。熊本県人吉(ひとよし)市にあります。日本で唯一、ループ線とスイッチバックを併せ持つ駅として、鉄道マニアによく知られています。アニメ化もされた鉄道マンガ「鉄子の旅」でも紹介(ネタに)され、登場する月刊IKKI編集長が狂喜乱舞していましたが、それほど印象的なのかと思い、私もいつか訪れてみたいと思っていました。
一度目は早朝に車で立ち寄ってみたのですが、本当に山の奥深くにある細い生活道路を、レンタカーのカーナビ頼りにどうにか辿りつきました。行き止まりで細長い駅構内、それと並行した未舗装道路があるだけで、ずっと車を停めておけるスペースはありません。他に誰か来たらどうしようと思いましたが、すれ違う位はできそうです。車を停めるという意味では、路線の先にある真幸(まさき)駅の方が駅前スペースがあって便利です。
大畑駅の木造駅舎はとても風情があり、落ち着いたたたずまいです。駅舎内の壁に絵馬のごとく名刺がびっしり貼られていますが、「名刺を貼ると出世する」といういわれがあるとか。知っていたら名刺貼ってくればよかった…。
この駅は開業時、SL(蒸気機関車)の給水所として設けられました。今も駅構内にレンガ造りの給水塔が残っています。
肥薩線はループ線とスイッチバックの名所です!ループ線とは、自動車道路でもたまにお目にかかりますが、螺旋(らせん)状になった路線のことです。
鉄道は自動車ほど軽くはないので、相当に馬力がある機関車でも、あまりに急こう配では登れません。そのため、線路自体をなるべく傾斜がきつくならないように、山の周囲に沿ってぐるぐる大回りして距離を稼いで、ゆっくり時間をかけて山を登っていきます。
大畑駅から隣りの矢岳(やたけ)駅方面に行くとき、列車はzの字を描くようにジグザグに山を登っていきます。これがスイッチバックで、v字ではなくz字のように二度ターンします。どれだけ急こう配かは行ってみてのお楽しみ。
列車は、大畑駅の行き止まりから少し傾斜を登りながら進んで、山間部行き止まりで一時停車します。この近辺景色の案内看板が線路にそって立ち、停車中は案内放送もあったりしてとても親切です。そこからまた進行方向を変えて反対側に進むと、ほどなく大畑駅が眼下に見えます。ここから先は日本三大車窓の一つに数えられています。素晴らしい眺望で山を登りつつ、眼下に広大な陸地が見下ろせる景色。そして列車は、山間部のループ部分へと入っていきます。スイッチバックとループを組み合わせた形状はカタツムリみたいで、地図で見ると面白いです。その先の先に、真幸(まさき)駅というスイッチバック駅があり、見どころが続きます。
肥薩線の人吉(ひとよし)駅~吉松(よしまつ)駅区間には、「観光列車いさぶろう・しんぺい号」が走っており、山間部の一番美味しい部分を堪能できます。JR九州の「おもてなし」木製インテリア、展望窓、木造の趣あるテーブル席で、車内販売や観光のための車内放送もあり、一度は乗ってみたい列車の一つ。時間があるなら、ぜひ乗ってみてください。
「いさぶろう号」が人吉(北のほう)→吉松(南のほう)、「しんぺい号」が吉松(北のほう)→人吉(南のほう)へ向かう列車です。 吉松から乗るときは、吉松→真幸(まさき)→矢岳(やたけ)→大畑(おこば)→人吉、と、山を下りていく恰好になります。テーブル指定席がほとんどのため、駅で指定券を買う必要がありますが、形式上わずかに自由席もあり、満席で乗れないということはありません。乗車時間は1時間ちょっとです。スイッチバックを眺めるときに、もし山側の席にいたら、席を立ってでも眼下を見に行く価値があるでしょう。
特急「はやとの風」を乗り継げば、九州新幹線に接続する鹿児島中央駅から、肥薩線の主要駅で「しんぺい号」の起点・吉松駅まで1時間半ほどで着きます。