大畑駅(JR肥薩線)

2011-11-19 07.19.36日本三大車窓・九州編

大畑駅のみどころ

大畑(おこば)駅はJR九州・肥薩(ひさつ)線の駅。熊本県人吉(ひとよし)市にあります。日本で唯一、ループ線とスイッチバックを併せ持つ駅として、鉄道マニアによく知られています。アニメ化もされた鉄道マンガ「鉄子の旅」でも紹介(ネタに)され、登場する月刊IKKI編集長が狂喜乱舞していましたが、それほど印象的なのかと思い、私もいつか訪れてみたいと思っていました。
一度目は早朝に車で立ち寄ってみたのですが、本当に山の奥深くにある細い生活道路を、レンタカーのカーナビ頼りにどうにか辿りつきました。行き止まりで細長い駅構内、それと並行した未舗装道路があるだけで、ずっと車を停めておけるスペースはありません。他に誰か来たらどうしようと思いましたが、すれ違う位はできそうです。車を停めるという意味では、路線の先にある真幸(まさき)駅の方が駅前スペースがあって便利です。
大畑駅の木造駅舎はとても風情があり、落ち着いたたたずまいです。駅舎内の壁に絵馬のごとく名刺がびっしり貼られていますが、「名刺を貼ると出世する」といういわれがあるとか。知っていたら名刺貼ってくればよかった…。
この駅は開業時、SL(蒸気機関車)の給水所として設けられました。今も駅構内にレンガ造りの給水塔が残っています。

肥薩線のみどころ

肥薩線はループ線とスイッチバックの名所です!ループ線とは、自動車道路でもたまにお目にかかりますが、螺旋(らせん)状になった路線のことです。
鉄道は自動車ほど軽くはないので、相当に馬力がある機関車でも、あまりに急こう配では登れません。そのため、線路自体をなるべく傾斜がきつくならないように、山の周囲に沿ってぐるぐる大回りして距離を稼いで、ゆっくり時間をかけて山を登っていきます。
大畑駅から隣りの矢岳(やたけ)駅方面に行くとき、列車はzの字を描くようにジグザグに山を登っていきます。これがスイッチバックで、v字ではなくz字のように二度ターンします。どれだけ急こう配かは行ってみてのお楽しみ。
列車は、大畑駅の行き止まりから少し傾斜を登りながら進んで、山間部行き止まりで一時停車します。この近辺景色の案内看板が線路にそって立ち、停車中は案内放送もあったりしてとても親切です。そこからまた進行方向を変えて反対側に進むと、ほどなく大畑駅が眼下に見えます。ここから先は日本三大車窓の一つに数えられています。素晴らしい眺望で山を登りつつ、眼下に広大な陸地が見下ろせる景色。そして列車は、山間部のループ部分へと入っていきます。スイッチバックとループを組み合わせた形状はカタツムリみたいで、地図で見ると面白いです。その先の先に、真幸(まさき)駅というスイッチバック駅があり、見どころが続きます。

行き方

肥薩線の人吉(ひとよし)駅~吉松(よしまつ)駅区間には、「観光列車いさぶろう・しんぺい号」が走っており、山間部の一番美味しい部分を堪能できます。JR九州の「おもてなし」木製インテリア、展望窓、木造の趣あるテーブル席で、車内販売や観光のための車内放送もあり、一度は乗ってみたい列車の一つ。時間があるなら、ぜひ乗ってみてください。
「いさぶろう号」が人吉(北のほう)→吉松(南のほう)、「しんぺい号」が吉松(北のほう)→人吉(南のほう)へ向かう列車です。 吉松から乗るときは、吉松→真幸(まさき)→矢岳(やたけ)→大畑(おこば)→人吉、と、山を下りていく恰好になります。テーブル指定席がほとんどのため、駅で指定券を買う必要がありますが、形式上わずかに自由席もあり、満席で乗れないということはありません。乗車時間は1時間ちょっとです。スイッチバックを眺めるときに、もし山側の席にいたら、席を立ってでも眼下を見に行く価値があるでしょう。
特急「はやとの風」を乗り継げば、九州新幹線に接続する鹿児島中央駅から、肥薩線の主要駅で「しんぺい号」の起点・吉松駅まで1時間半ほどで着きます。

日本の鉄道駅と路線紹介

railmap.info へようこそ!

このサイトでは、一度は訪れてみたい鉄道駅の紹介をしていきたいと思います。自分が実際に行ってきたところばかりです。

どんな紹介をするの?

  1. 駅のみどころ
    駅舎デザインなど、行ってみたらわかる!けど、事前に知っておきたい特長
  2. 路線のみどころ
    眺望や名所など、自分が行ってみたおすすめスポット
  3. 行き方
    最寄り主要路線や主要駅からの行き方

なぜ紹介するの?

日本には”観光資源”ともいうべき鉄道が、全国を網羅しています。「鉄」と呼ばれるマニアでなくても、名所と呼べそうなスポットがたくさんあります。日帰りで2千円もあればたっぷり一周して帰って、夏なら冷房の効いた車内でのんびり過ごす…なんてこともできるし、普段気にしたことのなかった地域のお土産(キーホルダーとか、お菓子とか…)に気付いたりもします。鉄道が走っている地域は、駅を中心に商店街が出来たり、スポーツ施設や集客施設などが建てられたりして活性化しています。鉄道ほど気軽に、比較的安く、新しい発見をもたらしてくれる設備はないかもしれません。
地域沿線に住んでいる方にそれほどありがたみは気付きにくいかもしれませんが、鉄道は外国からの観光客の方々にとっても安全、時間に正確で、場所がはっきりしていて利用しやすい施設です。路線図を見て、行きたい駅までの数字(料金)のボタンを押して切符を買えば、その目的地まで快適に、確実に行くことができます。車のように渋滞もありませんし、混雑時バスのように満席で乗れなくなることもありません。指定席でなければ、予約も不要です。乗ってしまってからどこへ行こうか考えても、どこかで途中下車するのも自由です。このような便利な乗り物を、もっと活用しない手はないでしょう。
しかし、いざ鉄道でどこかへ行こう!と思っても、特に行きたいところがなかったら、魅力を感じにくくなってしまいます。鉄道のどこがそんなに良いんだろう、と思われないように、一度は行ってみたい駅、そして路線!を紹介してみたいと思います。時間があればまた行ってみたい、自分はこの路線のここが好き!という過ごし方を感じてもらえればと思います。