湖の上を渡る不思議な駅
奥大井湖上駅のみどころ
奥大井湖上(おくおおいこじょう)駅は、静岡県榛原郡川根本町にあり、大井川鐵道の先端部である井川(いかわ)線の途中駅です。地図を見ると納得するのですが、竜(ドラゴン)のように曲がりくねった大井川の半島部分に橋げたが掛った形になっています。これがよく紹介される写真では、孤島のように見えてしまうので、いつも不思議に思っていたのです。
駅ホームには「幸せを呼ぶ鐘」、半島部分を少し上ると休憩施設「レイクコテージ奥大井」があります。井川線は単線折り返しで本数がそれほど多くないので、この駅に下りて散策するには、かなり時間にゆとりがないとできません。しかし一度は、このホームから延びている線路脇の歩道を歩いて、エメラルドグリーンの湖を見渡してみたいものです。
大井川鐵道井川線のみどころ
大井川鐵道は、土休日にはSLが走る路線として有名です。それに乗れるだけでもわくわくしてきます。ただそれは本線で、金谷(かなや)駅から千頭(せんず)駅まで。千頭駅は観光みやげ店などが充実して賑わっています。SL資料館という小さな展示室もあります。
千頭駅から先の井川線は、アプト式登山鉄道の幅狭い車両に乗り継いでいきます。アプト式鉄道とは、線路内に歯車を噛み合わせられるレールを敷いて、急こう配を機関車で上り下りできるようにしたもの。スイスの登山鉄道(ラック式鉄道)にもありますが、日本ではここ唯一の珍しいものです。ケーブルカーならばロープで支えるので物凄い急こう配のものもありますが、鉄道機関車で急こう配を上り下りするのは、線路の摩擦だけでは大変なことです。上りの牽引はもちろん、下りるときにブレーキがかからないと危険なので、坂下の方を機関車で支えるのです。アプトいちしろ駅では、機関車の付替え作業をじっくり見ることができます。
行き方
大井川鐵道は金谷駅が起点で、JR東海道本線に接続しています。なおSLの発着はその次の新金谷駅で、こちらの方が比較的大きい駅です。新金谷駅は駐車場が整備されていてマイカーでも来ることができます。ホームが1つで上下線がほぼ同じ時刻に来るので、方向を間違えて乗ると大変。初めて来たとき、慌てていたので恥ずかしい話ですが本当に間違えました。線路に沿って国道が伸びているので車で追いかけましたが、あの時は大変焦りました。皆さんは大丈夫ですね。
あと路線図では、井川線は千頭駅から井川駅までなのですが、H26.9.2に発生した崩土により、寸又峡(すまたきょう)温泉駅から井川駅までの区間はしばらく運休です。井川ダム(井川駅近辺)まで行きたい方は国道で行けるので、寸又峡温泉を拠点にするのもいいかもしれません。